ぶらた
字書きサイト 更新停止 →pixivへお引っ越しします。
カミハコロシタ
ヒトヲコロシタ
オンナヲコロシタ
セイジョヲコロシタ
ヒトヲコロシタ
オンナヲコロシタ
セイジョヲコロシタ
昔、ある女がいた。
その女は神を敬愛し、その存在を信じ、その教えを絶対としていた。
神は見ていた。
その女がうまれおちてからずっと。
女は気づいていた。
うまれおちてからずっと自分を見つめる瞳を。
その瞳が一つの問いかけを含んでいることにも。
“何故理解できるのか”
神が創造した世界は神以外理解できるはずがない。
否
創造した神ですら理解できないものであった。
神ですら理解できない世界。
その世界をどう扱うかを定めたものを神は人の子に手渡した。
すなわち・・・聖書。
それは人の子の手を行き交うたびに内容がゆがめられ女が生まれる前までには元の形すらわからないものに成り果てていた。
しかし、女はゆがめられる前の聖書の形がわかるようであった。
女の周りは常に清涼な空気が満ち溢れていた。
人の子の中で女は異彩をはなっていた。
「墓石を作りたいのですが」
ここらでは見ない顔であったが、ここいらではよく見る表情だった。
なにもかも知ったうえで買いに来る客。
あぁ、こんなに若いのに気の毒なこって・・・
「難しいですかね」
柔らかい笑顔だった。
あきらめて乾ききった魂がそれでも見せる幻想だろうな・・・
「いや、切り出した石なら簡単だ」
青年の言葉に男は事務的に返答する。
「本当ですか、たすかります」
その言葉の通り、タスケラレルなら良いのにな。若いの―自殺者―
依頼人の望むままに仕事をこなす男には青年にかける言葉がない。
言葉があったとしても青年には決して伝わらない。
だから、男は言葉を飲みこむ。
飲み込んだ言葉が男をむしばむその日まで。
ここらでは見ない顔であったが、ここいらではよく見る表情だった。
なにもかも知ったうえで買いに来る客。
あぁ、こんなに若いのに気の毒なこって・・・
「難しいですかね」
柔らかい笑顔だった。
あきらめて乾ききった魂がそれでも見せる幻想だろうな・・・
「いや、切り出した石なら簡単だ」
青年の言葉に男は事務的に返答する。
「本当ですか、たすかります」
その言葉の通り、タスケラレルなら良いのにな。若いの―自殺者―
依頼人の望むままに仕事をこなす男には青年にかける言葉がない。
言葉があったとしても青年には決して伝わらない。
だから、男は言葉を飲みこむ。
飲み込んだ言葉が男をむしばむその日まで。
ヒトは冷たい・・・
けれど
死体はもっと冷たい。
僕の望みはね
この空の下、冷たくなってしまうこと。
ヒトは暑すぎて、雪が降れたくらいでは負けて水になってしまう。
だから
体温が凍るぐらい冷めてしまいたいんだ。
ねぇ・・・お願いだから、邪魔しないで。
―――白いコートを翻し彼は消えた。
必死の山狩りもむなしく彼は望み通りとなった。
それは
あっけないほどの幕引き。
潔すぎるぐらい彼は何の未練なくこの世に別れを告げた。
彼は墓石を大切に抱え込むようにして亡くなった。
死に顔は夢見るように柔らかな微笑みを浮かべていた。
“1998年2月29日 ××××× 罪と共に眠る”
「やつは、本当に最期まで嘘をついていきやがる。
なにが殺しただ。なら、なんで○○○の誕生日を選んだんだよぉぉぉぉぉ」
胸を打つ慟哭。
されど
聞かせる相手は土の中。
全ては彼の望みどおりに運ぶ。
予告された未来すら、彼の前では跪き、閉幕のベルをただ無気力に告げた。
けれど
死体はもっと冷たい。
僕の望みはね
この空の下、冷たくなってしまうこと。
ヒトは暑すぎて、雪が降れたくらいでは負けて水になってしまう。
だから
体温が凍るぐらい冷めてしまいたいんだ。
ねぇ・・・お願いだから、邪魔しないで。
―――白いコートを翻し彼は消えた。
必死の山狩りもむなしく彼は望み通りとなった。
それは
あっけないほどの幕引き。
潔すぎるぐらい彼は何の未練なくこの世に別れを告げた。
彼は墓石を大切に抱え込むようにして亡くなった。
死に顔は夢見るように柔らかな微笑みを浮かべていた。
“1998年2月29日 ××××× 罪と共に眠る”
「やつは、本当に最期まで嘘をついていきやがる。
なにが殺しただ。なら、なんで○○○の誕生日を選んだんだよぉぉぉぉぉ」
胸を打つ慟哭。
されど
聞かせる相手は土の中。
全ては彼の望みどおりに運ぶ。
予告された未来すら、彼の前では跪き、閉幕のベルをただ無気力に告げた。


