ぶらた
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「いらないのになぁ」
手の中のモノを見つめ呟く。
「いらんてことはないでしょ?」
隣で本を読んでいた俺は顔を上げ答える。
「だって必要ないじゃん」
「必要ねぇ。あるんじゃないの~?」
手の中のモノを弄んでいる様子を横目に見ながら言う。
「たとえば?」
「より豊かな生活とか」
「豊かねーこれ以上どう豊かにしろと」
まー確かに容姿端麗、才色兼備、広い豪邸、理解ある両親。
不自由な点は何一つ無いな。
うん。
「それはそれ、これはこれじゃないか」
「これだぞ」
「これだね」
まじめな顔して言うのでまじめな顔して応じる。
「いるか?」
「いらない」
人から貰ったモノを横流ししない。
一応そんなんでも誕生日プレゼントだよ。
「ああ、どうしようかな。
下手においとくと蘭に見つかるし」
「まぁね」
「全く何考えて送ってきたんだが服部は・・・」
西の名探偵の顔を思い出す。
おそらくイヤだったのだろう。
自分より先越されるのが。
なにぶん子供好きな彼のことですから。
「さぁ、得意の推理したら?」
「推理しんでもわかるわ!!
変なところで張りたがる奴のこと。
俺が言いたいのは
“明るい家族計画”を段ボールで送ってくる奴の脳味噌だ」
身も蓋も無くないですか名探偵。
「ありがたく使わせて貰えば?」
「必要ねー、むしろ邪魔だ」
さすが新婚さん照れないですね。
その後ブツブツと聞かされる呪いの言葉に正直頭痛がしたりもするが
プレゼント代わりに我慢した。
なにはともあれ、ハッピーバースディ名探偵。
追伸:「明るい家族計画」は後日着払いで西の名探偵宅に送られた模様。
しかも2段ボール。
□後書き□
裏設定を暴露すると
黒の組織壊滅後、名探偵は即プロポーズ⇒同居シリーズ⇒ゴールイン。
西の名探偵は同居シリーズ⇒婚約。
名探偵の友は恋人未満希望(二重生活が忙しくて)
いえ本誌設定優先しますが当分出そうにないので捏造しました。
手の中のモノを見つめ呟く。
「いらんてことはないでしょ?」
隣で本を読んでいた俺は顔を上げ答える。
「だって必要ないじゃん」
「必要ねぇ。あるんじゃないの~?」
手の中のモノを弄んでいる様子を横目に見ながら言う。
「たとえば?」
「より豊かな生活とか」
「豊かねーこれ以上どう豊かにしろと」
まー確かに容姿端麗、才色兼備、広い豪邸、理解ある両親。
不自由な点は何一つ無いな。
うん。
「それはそれ、これはこれじゃないか」
「これだぞ」
「これだね」
まじめな顔して言うのでまじめな顔して応じる。
「いるか?」
「いらない」
人から貰ったモノを横流ししない。
一応そんなんでも誕生日プレゼントだよ。
「ああ、どうしようかな。
下手においとくと蘭に見つかるし」
「まぁね」
「全く何考えて送ってきたんだが服部は・・・」
西の名探偵の顔を思い出す。
おそらくイヤだったのだろう。
自分より先越されるのが。
なにぶん子供好きな彼のことですから。
「さぁ、得意の推理したら?」
「推理しんでもわかるわ!!
変なところで張りたがる奴のこと。
俺が言いたいのは
“明るい家族計画”を段ボールで送ってくる奴の脳味噌だ」
身も蓋も無くないですか名探偵。
「ありがたく使わせて貰えば?」
「必要ねー、むしろ邪魔だ」
さすが新婚さん照れないですね。
その後ブツブツと聞かされる呪いの言葉に正直頭痛がしたりもするが
プレゼント代わりに我慢した。
なにはともあれ、ハッピーバースディ名探偵。
追伸:「明るい家族計画」は後日着払いで西の名探偵宅に送られた模様。
しかも2段ボール。
□後書き□
裏設定を暴露すると
黒の組織壊滅後、名探偵は即プロポーズ⇒同居シリーズ⇒ゴールイン。
西の名探偵は同居シリーズ⇒婚約。
名探偵の友は恋人未満希望(二重生活が忙しくて)
いえ本誌設定優先しますが当分出そうにないので捏造しました。
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わらびもち
「あ-食べられたぁぁぁぁぁ!!」
空っぽの容器をかかえ叫び声が上がる。
その声に視線を上げて見てみるとどことなく見覚えのある容器。
「ごめん、それ俺」
「うそー新一なの食べたの?」
心底意外そうに言われる。
普段、甘味はほとんど食べない。
そのお菓子があまり甘くないのと賞味期限が切れそうだったので思わず食べてしまった。
まさかそこまで楽しみにしてたなんて思わなかった。
「てっきり服部かと思って声上げたのに」
「まてや、なんでもかんでも俺のせいにするな。
8割はちっこい姉ちゃんやんか」
「姉さんは良いのvvv」
これも男女差別と言うのだろうか。
妙に待遇されているお隣の科学者の姿が目に浮かぶ。
「お菓子なら他にもあるだろうが。」
服部の言葉に快斗は唸る。
「お菓子が食べたいんじゃないの。
わらびもちが食べたい気分。」
快斗の言葉に思案する。
今現在わらびもちは俺の腹の中。
「なんなら買ってくるぞ」
「ウソウソ!!そこまでしなくても良いから。
新一は本読んでなよ。」
あわてて快斗は喋る。
「俺の時とはえらい対応違うな。」
服部はそんな快斗をみて呟く。
耳ざとく聞いた快斗は胸を張り答える。
「新一は大家。俺は下宿人。服部は暇人。
だから服部が食べたいものは服部が買ってくるのは当然★」
「愛されてるね工藤さん」
服部はあてられたとばかりにこっちにふる。
対応困るからふらんで欲しいかも。
「でも、わらびーないなら代用して食べれそうなの探すか。」
「三色団子は?」
服部は戸棚にある団子を指さす。
「形はそっくりなんだけど触感がね~」
快斗はそう言い冷蔵庫を開ける。
「冷やっこいのの方がわらびーに近い気がするの。」
ゴソゴソ奥の方をあさり何かを取り出す。
「あった♪これ食べよ」
「げっ」
快斗の嬉しそうな声と服部の苦虫を潰したような声が同時にハモル。
何だと思ってみるとそこには
白ごま豆腐がある。
快斗。
確かに形と食感は同じだと認めよう。
だけど
味まったく違うと思うのは俺の推理間違いなんだろうか。
□後書き□
半実話ストーリー。
時間経過的には
コナンが新一に戻って蘭にプロポーズして
蘭のお父さん(小五郎さん)に大学卒業してから言われて(つまりは“待て”状態)
大学通っている時。
服部と快斗は新一宅にて同居中。
「あ-食べられたぁぁぁぁぁ!!」
空っぽの容器をかかえ叫び声が上がる。
その声に視線を上げて見てみるとどことなく見覚えのある容器。
「ごめん、それ俺」
「うそー新一なの食べたの?」
心底意外そうに言われる。
普段、甘味はほとんど食べない。
そのお菓子があまり甘くないのと賞味期限が切れそうだったので思わず食べてしまった。
まさかそこまで楽しみにしてたなんて思わなかった。
「てっきり服部かと思って声上げたのに」
「まてや、なんでもかんでも俺のせいにするな。
8割はちっこい姉ちゃんやんか」
「姉さんは良いのvvv」
これも男女差別と言うのだろうか。
妙に待遇されているお隣の科学者の姿が目に浮かぶ。
「お菓子なら他にもあるだろうが。」
服部の言葉に快斗は唸る。
「お菓子が食べたいんじゃないの。
わらびもちが食べたい気分。」
快斗の言葉に思案する。
今現在わらびもちは俺の腹の中。
「なんなら買ってくるぞ」
「ウソウソ!!そこまでしなくても良いから。
新一は本読んでなよ。」
あわてて快斗は喋る。
「俺の時とはえらい対応違うな。」
服部はそんな快斗をみて呟く。
耳ざとく聞いた快斗は胸を張り答える。
「新一は大家。俺は下宿人。服部は暇人。
だから服部が食べたいものは服部が買ってくるのは当然★」
「愛されてるね工藤さん」
服部はあてられたとばかりにこっちにふる。
対応困るからふらんで欲しいかも。
「でも、わらびーないなら代用して食べれそうなの探すか。」
「三色団子は?」
服部は戸棚にある団子を指さす。
「形はそっくりなんだけど触感がね~」
快斗はそう言い冷蔵庫を開ける。
「冷やっこいのの方がわらびーに近い気がするの。」
ゴソゴソ奥の方をあさり何かを取り出す。
「あった♪これ食べよ」
「げっ」
快斗の嬉しそうな声と服部の苦虫を潰したような声が同時にハモル。
何だと思ってみるとそこには
白ごま豆腐がある。
快斗。
確かに形と食感は同じだと認めよう。
だけど
味まったく違うと思うのは俺の推理間違いなんだろうか。
□後書き□
半実話ストーリー。
時間経過的には
コナンが新一に戻って蘭にプロポーズして
蘭のお父さん(小五郎さん)に大学卒業してから言われて(つまりは“待て”状態)
大学通っている時。
服部と快斗は新一宅にて同居中。
禍々しいほど不吉な月
けれど
遙か昔
その月は汚れを知らない存在だった
何もかも天空の彼方より
見下ろす
燦然と輝く月が今地上に姿を現す
けれど
遙か昔
その月は汚れを知らない存在だった
燃えさかる業火
足下に転々と転がる肉片
少女が二人
一人の少女は
その道を眉一つあげることもなく
淡々と歩く
傍らにいる少女は糸が切れたマリオネットのように
その少女に手を引かれ歩く
瞳は何の感情も映していない
村を一望できる場所までたどり着いたとき
手を引かれていた少女の足はもつれ地面に倒れる。
「サラ、大丈夫?」
心配そうに少女は倒れ込んだサラを見る。
「・・・」
サラは何も言わず少女を見る。
「どうしたの、気分でも悪い?」
「リン」
リンはサラに優しく微笑む。
その慈愛に満ちた微笑みを見たサラは一瞬何もかも忘れてしまいたくなる。
先ほど見た光景は夢だった。
そう思いたかった。
けど
背後で燃えさかる炎の悲鳴がその想いを吹き飛ばす。
「でも、もう少しだけ歩きましょ。
ここにいては息苦しいわ」
そう毅然とリンは言う。
その言葉に顔を上げると見たこともないほど美しい少女がいた。
リンの表情が何か晴れ晴れとしていて。
見慣れたはずのリンだとはとてもサラには思えなかった。
遠くから馬の嘶きが聞こえた。
サラの身体は小刻みにふるえる。
生き残っていた村人の誰かが近隣の村に通報したのだろうか。
そしてリンをリンを捕まえる気だろうか。
「逃げなきゃ、リン!!」
「なぜ?
私たちが逃げる必要はないわ」
「リン・・・
私貴女と離れたくないの」
リンは小首を傾げる。
「ええ。
私も貴女と離れる気はないわ」
近づく足音。
一人二人のものではない。
数十人、数百人の足音がこちらに近づいてくる。
「バイラの村に火を放ったのはお前達か?」
先頭で示唆をする男がそう問いかける。
サラは口を閉ざし何も言わず、無言でリンの前へ出る。
どこまでもリンを守ろうとするサラ。
だからサラは知らない。
リンの瞳がサラを冷たく見つめていることに。
「サラ、ごめんなさい」
「えっ!?」
ドンと鈍い音が身体を駆け抜ける。
サラの後頭部をリンが強打する。
倒れ込むサラ。
その身体を優しく地面に横たえるリン。
そして問いかけた男に悠然と笑みを浮かべ答える。
「一番偉い人は誰?
呼びなさい」
遙か頭上から自分を見下ろすその言葉に。
普通なら怒鳴り返す己がたかが小娘の言葉になぜか逆らうことが出来ない。
男が白黒していると後ろの方から声がかかる。
「私の事かな、お嬢さん」
絢爛豪華な衣装に身を包んだ男が一人姿を現した。
その衣装に負けないほど体躯も立派だが、何よりその瞳はその場にいた誰よりも鋭かった。
笑っているのに笑っていない。
仮面のような表情が不気味なほど静かだった。
その瞳をそらすことなく受け止めリンは高飛車に言う。
「ええ。
そうよ、貴方で良いわ」
足下に転々と転がる肉片
少女が二人
一人の少女は
その道を眉一つあげることもなく
淡々と歩く
傍らにいる少女は糸が切れたマリオネットのように
その少女に手を引かれ歩く
瞳は何の感情も映していない
村を一望できる場所までたどり着いたとき
手を引かれていた少女の足はもつれ地面に倒れる。
「サラ、大丈夫?」
心配そうに少女は倒れ込んだサラを見る。
「・・・」
サラは何も言わず少女を見る。
「どうしたの、気分でも悪い?」
「リン」
リンはサラに優しく微笑む。
その慈愛に満ちた微笑みを見たサラは一瞬何もかも忘れてしまいたくなる。
先ほど見た光景は夢だった。
そう思いたかった。
けど
背後で燃えさかる炎の悲鳴がその想いを吹き飛ばす。
「でも、もう少しだけ歩きましょ。
ここにいては息苦しいわ」
そう毅然とリンは言う。
その言葉に顔を上げると見たこともないほど美しい少女がいた。
リンの表情が何か晴れ晴れとしていて。
見慣れたはずのリンだとはとてもサラには思えなかった。
遠くから馬の嘶きが聞こえた。
サラの身体は小刻みにふるえる。
生き残っていた村人の誰かが近隣の村に通報したのだろうか。
そしてリンをリンを捕まえる気だろうか。
「逃げなきゃ、リン!!」
「なぜ?
私たちが逃げる必要はないわ」
「リン・・・
私貴女と離れたくないの」
リンは小首を傾げる。
「ええ。
私も貴女と離れる気はないわ」
近づく足音。
一人二人のものではない。
数十人、数百人の足音がこちらに近づいてくる。
「バイラの村に火を放ったのはお前達か?」
先頭で示唆をする男がそう問いかける。
サラは口を閉ざし何も言わず、無言でリンの前へ出る。
どこまでもリンを守ろうとするサラ。
だからサラは知らない。
リンの瞳がサラを冷たく見つめていることに。
「サラ、ごめんなさい」
「えっ!?」
ドンと鈍い音が身体を駆け抜ける。
サラの後頭部をリンが強打する。
倒れ込むサラ。
その身体を優しく地面に横たえるリン。
そして問いかけた男に悠然と笑みを浮かべ答える。
「一番偉い人は誰?
呼びなさい」
遙か頭上から自分を見下ろすその言葉に。
普通なら怒鳴り返す己がたかが小娘の言葉になぜか逆らうことが出来ない。
男が白黒していると後ろの方から声がかかる。
「私の事かな、お嬢さん」
絢爛豪華な衣装に身を包んだ男が一人姿を現した。
その衣装に負けないほど体躯も立派だが、何よりその瞳はその場にいた誰よりも鋭かった。
笑っているのに笑っていない。
仮面のような表情が不気味なほど静かだった。
その瞳をそらすことなく受け止めリンは高飛車に言う。
「ええ。
そうよ、貴方で良いわ」
何もかも天空の彼方より
見下ろす
燦然と輝く月が今地上に姿を現す
■人と月は生まれながらにして密接な関係を持つ■
それはあまりに突然だった。
ずっとずっと昔から隣で笑っていた親友の手が私を捕らえる。
その日は見たこともないほど月が大きく見えた。
月の色は常に見る淡い黄色ではなく、柘榴を思わせるほど鮮やかな朱色だった。
村の者は皆それにおそれを抱き早々と自分の家に戻って行くが身よりのない私たちは丘の下でその月を見ていた。
「ねぇ、サラ・・・
今日の月は凄く綺麗ね」
親友のリンは月を見てそういった。
確かに常にない色ではあるが月はいつもの通り私たち二人を照らしている。
身よりのない私たちには月がいつも明かりの代わりだった。
けど、リンの表情はどこか安定さを欠けていた。
月の光に魅せられたかのように。
「そうね。
でも、少し怖い・・・」
リンは私を見て微笑む。
優しさをたたえたその笑みが私は好きだった。
「大丈夫。
私が側にいるよ」
繋いでいた手をぎゅっと握りしめられる。
伝わる暖かさが好きだった。
二人で入ればどんな事も乗り越えられる。
そう信じられた。
その瞬間まで。
「よー、サラ達。
お前らこんな所にいたのかよ」
振り向くと数人の若者が私たちを囲んでいた。
身よりのない私たちを村は当然歓迎してはくれない。
けれど邪険にすることも出来ず、ただ遠巻きに見ている連中はまだ良い。
こうやって私たちが無力な女だということに味を占めた者も多くいる。
何度そういう危機を切り抜けただろう。
だが、今夜はそれをいさめてくれるはずの村の者達は自分の家にこもってしまっている。
「いいかげん、俺達に良い夢見させてくれよ」
「なぁ、リン」
伸びてくる手。
舐めるように這う視線。
あざ笑う声。
私たちは走った。
無我夢中で走った。
それがいけなかった。
いつのまにか私たちは後のない崖の下へ追い込まれてしまった。
「もう、逃げ場は無いぜ」
「さーて。どちらから頂こうか」
「均等にあげないと不公平だしな」
リンは私を庇い前へ出る。
「サラには指一本触るんじゃないわよ」
温かい背中。
でも、守られてはいけない。
「へー。リンが相手してくれるのか」
「お前良い身体してるし。
かまわねえぜ」
「いっそうのこと、全員面倒みてもらおうか」
「賛成!!」
リンは一歩も引かない。
「止めて!!リンには手を出さないで」
リンの前に出る。
怖くない、怖くない、だって私の後ろにはリンがいる。
「サラ!?」
大丈夫、心配しないで。
私は貴女を守りたいの、だから。
「私が私が・・・相手をするわ」
怯えない、こんなやつらに。
「サラ、やめっ・・・て」
-ドン
男の一人がリンに当て身を食らわした。
伸ばされた手は空を切る。
「じゃ、楽しもうぜ」
着ていた服は伸びてくる無数の手が破り捨てる。
下品た笑い声。
私の反応をみて面白がる男達。
「キャァーーー!!!!!」
叫ぶ声も楽しいのか。
何度も何度も私の身体は弄ばれる。
意識が何度飛んだだろう。
でも、男達は言う。
「お前が眠ったら、リンの番だな」
「そうそう。反応の無くなった玩具は楽しくないから」
「せいぜい楽しませてくれよ」
言葉に浮上する意識。
リン。
リン。
貴女はどうかそのまま眠っていて。
願いは届かない。
男の一人がリンを起こす。
「おい、見ろよ。
お前の親友がどうなってるのか」
「・・・さ・・ら・・」
「イヤァァァァァ!!!!!!!」
何度目の叫びだっただろう。
リンの目の前で私の身体はひらかれて。
閉じることを忘れたリンの瞳から正気の色は失せ。
男達は自分たちの気が済むと興味を失ったのかリンには手を出さず去っていった。
「リン・・・」
ぼんやりと焦点のおぼつかないリンは私を見ると言った。
「守りたかったのに」
「リン」
「守りたかったのに」
「リン、もう良いの」
「私、守れなかったの?」
「リン・・・」
虚空を見上げるリンの瞳に月が映っていた。
私たちは互いを抱きしめるように眠った。
その夜更け。
村から火の手が上がった。
炎は勢いよく村の民家を燃やした。
犠牲者はあの男達だった。
次の日。
村の長から私たちは呼び出された。
「昨夜、若者数名が火事の犠牲になった。
その火付けをしたのがリンだと言う者がおる。
心当たりあるか?」
その顔ははっきりとリンを疑っていた。
「違います!!
昨日私たちはずっと一緒にいました」
「いいえ。私たちは一緒にいませんでした」
リンの顔は作り物のようだった。
「犯人は自分だと言うのか?」
「憎しみで人が殺せれば、そうですね」
リンの顔に笑みが浮かぶ。
その笑みは恐ろしいほど綺麗だった。
結局、村の長は私たちを無罪とした。
火付けの証拠が何もない私たちを罪人とするわけにもいかなかっのだろう。
しかし、村人はそうは思っていない。
火付けの犯人はリンだ。
日増しにリンへの村人の嫌がらせはエスカレートする。
村を歩けば視線を避けられ、罵声を浴びせられ、石を投げられる。
繰り返し繰り返し行われる。
けれどリンはただ黙って受けていた。
そんな時のリンの表情はまるで人形のようだった。
ある時、リンへ向けられた石がサラにぶつかる。
「サラ!!」
表情を変えないリンが駆け寄る。
それが合図だった。
何をしても無反応なリンが唯一反応する者。
皆は一斉にサラを狙い始めた。
「痛い、リン逃げて」
「サラ!!」
その痛みをいつかのように受けるサラ。
リンの瞳にあの日の月が映る。
サラが暴行を受けて以来、サラとリンは互いを抱き合うように眠っていた。
サラはその日もリンと一緒に眠った。
けど、夜更けに目を覚ますと傍らにいたリンの姿は無かった。
「リン、どこ?」
ふわふわと夢遊病者のようにサラは歩く。
リンを求めて。
麓の村は赤々と明るい。
「火事!!リンリンどこにいるの?」
巻き込まれたかもしれないリン。
探さなきゃ、どこかで傷ついて動けないのかもしれない。
村は静かだった。
火事は村全体を飲み込んでいる。
なのに、村人は一人も見あたらない。
下を見る。
炎を映した地面は赤い。
-ゴロゴロゴロ
足下へ転がってくる音。
下を向く。
空洞の瞳がこちらを見ている。
「イヤァァァァァ、リン!!!!!」
「大丈夫。
それは私ではないわ」
静かな声が私の耳に触れる。
瞼を覆い隠す手。
閉じられた視界の向こうで鮮血が飛ぶ。
二人で見た。
赤い月の嗤い声。
今はっきりと聞こえた気がした。
それはあまりに突然だった。
ずっとずっと昔から隣で笑っていた親友の手が私を捕らえる。
"ずっとずっとこうしたかった"
その日は見たこともないほど月が大きく見えた。
月の色は常に見る淡い黄色ではなく、柘榴を思わせるほど鮮やかな朱色だった。
村の者は皆それにおそれを抱き早々と自分の家に戻って行くが身よりのない私たちは丘の下でその月を見ていた。
「ねぇ、サラ・・・
今日の月は凄く綺麗ね」
親友のリンは月を見てそういった。
確かに常にない色ではあるが月はいつもの通り私たち二人を照らしている。
身よりのない私たちには月がいつも明かりの代わりだった。
けど、リンの表情はどこか安定さを欠けていた。
月の光に魅せられたかのように。
「そうね。
でも、少し怖い・・・」
リンは私を見て微笑む。
優しさをたたえたその笑みが私は好きだった。
「大丈夫。
私が側にいるよ」
繋いでいた手をぎゅっと握りしめられる。
伝わる暖かさが好きだった。
二人で入ればどんな事も乗り越えられる。
そう信じられた。
その瞬間まで。
「よー、サラ達。
お前らこんな所にいたのかよ」
振り向くと数人の若者が私たちを囲んでいた。
身よりのない私たちを村は当然歓迎してはくれない。
けれど邪険にすることも出来ず、ただ遠巻きに見ている連中はまだ良い。
こうやって私たちが無力な女だということに味を占めた者も多くいる。
何度そういう危機を切り抜けただろう。
だが、今夜はそれをいさめてくれるはずの村の者達は自分の家にこもってしまっている。
「いいかげん、俺達に良い夢見させてくれよ」
「なぁ、リン」
伸びてくる手。
舐めるように這う視線。
あざ笑う声。
私たちは走った。
無我夢中で走った。
それがいけなかった。
いつのまにか私たちは後のない崖の下へ追い込まれてしまった。
「もう、逃げ場は無いぜ」
「さーて。どちらから頂こうか」
「均等にあげないと不公平だしな」
リンは私を庇い前へ出る。
「サラには指一本触るんじゃないわよ」
温かい背中。
でも、守られてはいけない。
「へー。リンが相手してくれるのか」
「お前良い身体してるし。
かまわねえぜ」
「いっそうのこと、全員面倒みてもらおうか」
「賛成!!」
リンは一歩も引かない。
「止めて!!リンには手を出さないで」
リンの前に出る。
怖くない、怖くない、だって私の後ろにはリンがいる。
「サラ!?」
大丈夫、心配しないで。
私は貴女を守りたいの、だから。
「私が私が・・・相手をするわ」
怯えない、こんなやつらに。
「サラ、やめっ・・・て」
-ドン
男の一人がリンに当て身を食らわした。
伸ばされた手は空を切る。
「じゃ、楽しもうぜ」
着ていた服は伸びてくる無数の手が破り捨てる。
下品た笑い声。
私の反応をみて面白がる男達。
「キャァーーー!!!!!」
叫ぶ声も楽しいのか。
何度も何度も私の身体は弄ばれる。
意識が何度飛んだだろう。
でも、男達は言う。
「お前が眠ったら、リンの番だな」
「そうそう。反応の無くなった玩具は楽しくないから」
「せいぜい楽しませてくれよ」
言葉に浮上する意識。
リン。
リン。
貴女はどうかそのまま眠っていて。
願いは届かない。
男の一人がリンを起こす。
「おい、見ろよ。
お前の親友がどうなってるのか」
「・・・さ・・ら・・」
「イヤァァァァァ!!!!!!!」
何度目の叫びだっただろう。
リンの目の前で私の身体はひらかれて。
閉じることを忘れたリンの瞳から正気の色は失せ。
男達は自分たちの気が済むと興味を失ったのかリンには手を出さず去っていった。
「リン・・・」
ぼんやりと焦点のおぼつかないリンは私を見ると言った。
「守りたかったのに」
「リン」
「守りたかったのに」
「リン、もう良いの」
「私、守れなかったの?」
「リン・・・」
虚空を見上げるリンの瞳に月が映っていた。
私たちは互いを抱きしめるように眠った。
その夜更け。
村から火の手が上がった。
炎は勢いよく村の民家を燃やした。
犠牲者はあの男達だった。
次の日。
村の長から私たちは呼び出された。
「昨夜、若者数名が火事の犠牲になった。
その火付けをしたのがリンだと言う者がおる。
心当たりあるか?」
その顔ははっきりとリンを疑っていた。
「違います!!
昨日私たちはずっと一緒にいました」
「いいえ。私たちは一緒にいませんでした」
リンの顔は作り物のようだった。
「犯人は自分だと言うのか?」
「憎しみで人が殺せれば、そうですね」
リンの顔に笑みが浮かぶ。
その笑みは恐ろしいほど綺麗だった。
結局、村の長は私たちを無罪とした。
火付けの証拠が何もない私たちを罪人とするわけにもいかなかっのだろう。
しかし、村人はそうは思っていない。
火付けの犯人はリンだ。
日増しにリンへの村人の嫌がらせはエスカレートする。
村を歩けば視線を避けられ、罵声を浴びせられ、石を投げられる。
繰り返し繰り返し行われる。
けれどリンはただ黙って受けていた。
そんな時のリンの表情はまるで人形のようだった。
ある時、リンへ向けられた石がサラにぶつかる。
「サラ!!」
表情を変えないリンが駆け寄る。
それが合図だった。
何をしても無反応なリンが唯一反応する者。
皆は一斉にサラを狙い始めた。
「痛い、リン逃げて」
「サラ!!」
その痛みをいつかのように受けるサラ。
リンの瞳にあの日の月が映る。
サラが暴行を受けて以来、サラとリンは互いを抱き合うように眠っていた。
サラはその日もリンと一緒に眠った。
けど、夜更けに目を覚ますと傍らにいたリンの姿は無かった。
「リン、どこ?」
ふわふわと夢遊病者のようにサラは歩く。
リンを求めて。
麓の村は赤々と明るい。
「火事!!リンリンどこにいるの?」
巻き込まれたかもしれないリン。
探さなきゃ、どこかで傷ついて動けないのかもしれない。
村は静かだった。
火事は村全体を飲み込んでいる。
なのに、村人は一人も見あたらない。
下を見る。
炎を映した地面は赤い。
この液体は何?
この臭いは何?
この肉塊は何?
この臭いは何?
この肉塊は何?
-ゴロゴロゴロ
足下へ転がってくる音。
下を向く。
空洞の瞳がこちらを見ている。
「イヤァァァァァ、リン!!!!!」
「大丈夫。
それは私ではないわ」
静かな声が私の耳に触れる。
瞼を覆い隠す手。
閉じられた視界の向こうで鮮血が飛ぶ。
二人で見た。
赤い月の嗤い声。
今はっきりと聞こえた気がした。
数分間の空白。
なんとか心の整理をつけて兎衣は喋る。
「バレンタインって言うと
あれだ。
女の子が男の子にあげるというやつだよな」
微妙に空中に視線をそらし、頬は恥ずかしさのためか密かに紅潮させながら話す。
「世間的にはそうですが、
本来は感謝の気持ちからのものですからどちらからあげてもかまわない。
むしろ、
あげたい方があげたい人にあげたいようにあげるのが正しいかと思いますv」
その様子を良く言えばとても熱心に、悪く言えば舐めるようにあますとこなくこれでもかと視姦する璃縁。
美少女っぷりが犯罪だ。
これがハゲでデブで脂ぎった中年親父ででもあればセクハラで訴えれただろう。
が、まさに可憐という言葉がぴったりの璃縁相手では訴えても確実に負けるだろう。
幸運なことに恥ずかしさのため空中に視線をとばしている兎衣はそんな視線に気づいていない。
兎衣の語りは進む。
「それは良かった。
じゃなくって!!
何で・・・、なんで・・・舐めた?
欲しいのなら口で言えばあげたのに。」
はぁはぁと肩を揺らし一気に喋り璃縁を見る。
その急転直下感情の言葉に璃縁の目はキョトンと兎衣を見る。
その瞳に兎衣は脱力感を覚える。
何かが無駄だったような、そんな虚無感におそわれる。
「美味しそうだったからではいけませんか?」
ポツリと。
何気なく璃縁は言う。
「美味しそう?」
「はい。
兎衣さんの輝かんばかりの笑顔を彩る、桃色の頬に。
その唇に入りきらず零れた甘いお菓子。
食べてと誘惑されているのを断るのは無粋かと思いまして。」
「そ、そうか。」
兎衣は悟る。
もしや俺は大きな勘違いをしでかしたのではないか、と。
こちらを見る無垢な瞳。
だけど、その奥にとてつもなく恐ろしいモノが隠れてそうな、
そんな気がしてしょうがないと後日兎衣は親友にそう漏らした。
親友は兎衣の肩を優しく叩き。
言ったそうだ
『喰われるのは時間の問題なんだから、
後で後悔しないように勝負パンツ買いに行こう?』
私立:幕の内学園
校内新聞2月号見出しより抜粋
*学園のプリンス倒れ救急車で運ばれる*
*目撃者の話では『勝負・・・、勝負・・・』*
*謎の言葉に隠された真実は?*
*次号ではベールに包まれた真相を親友がついに激白*
*真実は解明した方が良いのですか~?*
*次号発行は、翌々月の16日です*
*どうぞお楽しみに*
なんとか心の整理をつけて兎衣は喋る。
「バレンタインって言うと
あれだ。
女の子が男の子にあげるというやつだよな」
微妙に空中に視線をそらし、頬は恥ずかしさのためか密かに紅潮させながら話す。
「世間的にはそうですが、
本来は感謝の気持ちからのものですからどちらからあげてもかまわない。
むしろ、
あげたい方があげたい人にあげたいようにあげるのが正しいかと思いますv」
その様子を良く言えばとても熱心に、悪く言えば舐めるようにあますとこなくこれでもかと視姦する璃縁。
美少女っぷりが犯罪だ。
これがハゲでデブで脂ぎった中年親父ででもあればセクハラで訴えれただろう。
が、まさに可憐という言葉がぴったりの璃縁相手では訴えても確実に負けるだろう。
幸運なことに恥ずかしさのため空中に視線をとばしている兎衣はそんな視線に気づいていない。
兎衣の語りは進む。
「それは良かった。
じゃなくって!!
何で・・・、なんで・・・舐めた?
欲しいのなら口で言えばあげたのに。」
はぁはぁと肩を揺らし一気に喋り璃縁を見る。
その急転直下感情の言葉に璃縁の目はキョトンと兎衣を見る。
その瞳に兎衣は脱力感を覚える。
何かが無駄だったような、そんな虚無感におそわれる。
「美味しそうだったからではいけませんか?」
ポツリと。
何気なく璃縁は言う。
「美味しそう?」
「はい。
兎衣さんの輝かんばかりの笑顔を彩る、桃色の頬に。
その唇に入りきらず零れた甘いお菓子。
食べてと誘惑されているのを断るのは無粋かと思いまして。」
「そ、そうか。」
兎衣は悟る。
もしや俺は大きな勘違いをしでかしたのではないか、と。
こちらを見る無垢な瞳。
だけど、その奥にとてつもなく恐ろしいモノが隠れてそうな、
そんな気がしてしょうがないと後日兎衣は親友にそう漏らした。
親友は兎衣の肩を優しく叩き。
言ったそうだ
『喰われるのは時間の問題なんだから、
後で後悔しないように勝負パンツ買いに行こう?』
私立:幕の内学園
校内新聞2月号見出しより抜粋
*学園のプリンス倒れ救急車で運ばれる*
*目撃者の話では『勝負・・・、勝負・・・』*
*謎の言葉に隠された真実は?*
*次号ではベールに包まれた真相を親友がついに激白*
*真実は解明した方が良いのですか~?*
*次号発行は、翌々月の16日です*
*どうぞお楽しみに*


