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私十二歳小六女子

弟十歳児小四男子

弟六歳児小一男子

 

ちなみに私たちの親は大金持ちらしい。

 

今日も車で連れて行かれる。

なんたらのお披露目会という名目だ。

めんどいことだ。

こんな一桁の時代から義務やお愛想をつかわなあかんなんてなんとも嘆かわしい。

仕方ない、親にも面子があり、うちらは育てて貰っている身分だ。

不平不満はなるべく我慢しよう。

 

夜の11時。

運転手が煙草を吸いに外に出た。

その様子をぼんやり見ながら両隣を見ると弟達はもう寝ている。

疲れたのだろう。

いつもより長い時間うろうろさせられたのだから。

私も疲れていたのだがなんとなく眠れず窓の外を見てた。

運転手に近寄る影。

細い棒のようなモノで背を強打。

運転手が崩れ落ちる。

背広から何かを抜き取り真っ直ぐこちらにむかってくる。

 

ドラマであるなこうゆうの。

 

とりあえず弟たちに見習い寝たふりをする。

ドアが開く音。

車はすぐに発進される。

薄目を開けるとどうやら若い男のようだ。

遠ざかる窓ごしに運転手が走っている姿が見えた。

 

怪我は大したこと無いらしい。

 

さて、これからどうしよう。

 

「ねぇ、誘拐犯さん」

 

「!?」

 

男の方が揺れた。

面白い。

男は意外と小心者のようだ。

 

「何が目的なの?」

 

「・・・寝てたんじゃなかったのか」

 

男の声はとても耳に心地よい音だった。

 

「今、起きたの」

 

「そうか。」

 

男は納得したらしい。

まさか最初から起きてたなんて思わないようだ。

 

「私たちどこに行くの?」

 

「・・・遠いところ」

 

数瞬、男は黙り、答えが返ってくる。

その答えが予想外に正直なので嬉しくなる。

 

「身代金は最低1億円は要求してねv」

 

「はぁ?」

 

男は驚いたようだ。

でも身代金ならそれぐらいは欲しい。

低いと自分の価値が低いと思われるじゃない。

 

「後、弟達には危害加えちゃイヤよ。

 私なら一番長生きしてるし別にかまわないけれど。」

 

下の子は六歳だ。

どう考えても死ぬには早いだろう。

その点は私は六年も余分に生きている。

ま、短いけれどこれも人生だ。

割と楽しかった。

 

「殺すつもりはないから安心しろ」

 

男は少し疲れた声で答えた。

うぬ、意外とナイーブっぽいよこの人。

 

「とにかく、当分着かないから寝ろ。」

 

バサッと何かが降ってくる。

男が消えていた黒いジャケット。

 

「子供は子供らしく丸まってねとけ」

 

言葉通りジャケットを三人で使いわたしは寝た。

 

「変わったガキだ」

 

眠りにつく直前そんな声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

起きると車は止まっていた。

男の姿は見えない。

ドラマで言うチャンスという奴だろうか。

弟たちを起こす。

ぶーたれながらも起きる二人。

 

「おねー。もう着いたの?」

「眠たいよぅ」

 

文句を言う。

 

「しっ。私たち誘拐されたの。

 犯人は居ないみたいだから逃げるわよ。」

 

沈黙。

 

「マジ?」

「嘘だよねぇ」

 

小さな声で呟く。

 

「大マジ。行くわよ」

 

ドアを開ける。

ここは駐車場のようだ。

言い争う男の声が聞こえた。

 

とにかく近づく。

 

男の場所を把握しなければ逃げようがない。

 

『お前なんて死ね』

 

『なにを・・・』

 

『ぐわぁぁぁぁあああ』

 

二つの影が重なり離れる。

息を潜め車の影で見た惨劇。

二つの方が震える。

銀色の刃が男の身体に突き刺さっている。

どちらも私たちを誘拐した男ではない。

 

加害者の男はそのまま足早に去る。

 

姿が見えなくなってから私たちはようやく詰めていた息を吐き出した。

 

「どうしよう。おねぇ?」

 

「とにかく警察」

 

「うぁぁぁあぁあああああああぁああああ」

 

悲鳴が上がる。

それは私たちを誘拐した男の声だった。

男は手にコンビニの袋を持っている。

 

-ボサッ

 

あ、落とした。

パニクっているのは遠目からでもはっきりと分かった。

 

「どうした?」

 

その声に駐車場の警備員が駆け寄る。

 

「人殺し!!!」

 

警備員は倒れている男を見てそして叫ぶ。

 

「違う、俺じゃない!」

 

誤解を解こうとする男。

しかしその様子はどう見ても怪しい。

黒い服に黒いシャツ黒いサングラス。

全身黒づくめ。

 

このままでは男は無実の罪に問われてしまう。

 

「袋を拾って。こっちに来て!!」

 

思わず隠れていた所から飛び出す。

 

「「「おねぇ」」

 

ごめん。弟どもよ。

巻き込んじゃうけどお前達の安全は保証するから良いよねv

 

「え?」

 

間の抜けた男の声。

 

「早く。捕まりたいの?」

 

捕まるの言葉に男は落ちた袋を拾い走る。

 

「待て!!」

 

あわてて追いかけてくる警備員。

 

「後ろに乗る!!」

 

弟たちに声を掛け私たちは後部座席に座る。

男は乗り込みエンジンをかける。

近づいてくる警備員。

 

「早く」

 

「ああ」

 

走り出す車。

とんでもないことに巻き込まれた私たち。

さて。

私たちはこれからどこへ行くのだろう。

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プロフィール
HN:
花丸 こは
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1984/08/07
職業:
サービス業
趣味:
映画
自己紹介:
物置き。
みかんの作品がちらほら。
お引っ越ししたら完成させるつもりさ。
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