ぶらた
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死して成就する呪いがあるという
それは生に執着する人間でなければ成立しない
なぜなら
魂の希薄な生などゴミでしかないから
だから
男が自分の命と引き換えに願う願いは
生きたいという思いと相反すればするほど強く強く硬く硬く鋭く鋭く
諸刃の刃となる
それはいつもとかわらないお茶会であるはずだった。
戦人がベアトリーチェに対して攻撃的な発言をするのだっていつもとかわらないこと。
けれど、いつもとは違いベアトリーチェはその言葉を無視することは出来なかった。
「俺は死んだってお前となんてキスしない」
何がベアトリーチェの琴線に触れたのかベアトリーチェ自身理解していないまま、いつものように玩具を壊した。
血と骨と肉と
元の原型も判断がつかないほどグチャグチャにしてしまうベアトリーチェ。
今回は綺麗すぎる壊れかただった。
口から一筋血が流れていなければ寝ているのと見間違うくらい毒々しい生首。
見開いた眼は死しても屈服しないという強い意志を感じさせる。
古の物語で同じようなものがあったことをベアトリーチェは思い出す。
しかし、同じようなものは同じではない。
「わらわは、愛してなどおらん」
見開いた眼差しを受けながらベアトリーチェは言葉とは裏腹にその唇に口付けた。
―ガリッ
おこるはずのない音。
口付けた瞬間、生首はベアトリーチェの無防備な舌を噛み切った。
ベアトリーチェは痛みよりも驚きで声が出せぬまま生首を引き離す。
生首はその唇を弧に描く。
酷く穏やかな笑顔。
ベアトリーチェが見たことのない顔。
それば
ベアトリーチェが見たかったもの。
生首が噛んだ舌は痺れはじめいまや身体さえ保てないほど魔女を蝕む。
ベアトリーチェは生首を抱えたまま床に座り込む。
生首は目を閉じていた。
ベアトリーチェは掠れゆく視界をそれでも生首にあわせる。
助けを呼ぶことも、緩やかに迫りくる死に抗うこともしない。
目を開けて。
生き返らせることができるはずの自分の魔力が、いまや枯渇していることを魔女は悟る。
二度と元には戻らない。
壊れたものは壊れたまま。
二度目がないのであれば・・・もう会えない。
魔女は生首にキスをする。
-FIN-


